貝の口 帯結びの基本メモ
KimonoDandy  6833


 

【貝の口】 角帯(半幅帯) 解説  ※動画解説 → Youtube

☆基本の結び 和装のエッセンスが込められた結び
☆角角(カクカク)と角(かど)が立つ織(剛性)、折り紙結びだからこそ角帯
 兵児帯と異なり、文化的な帯・結びとして社会的な装いとなる
☆クシュ紐と平紐の違い 平紐の結び(折り紙的幾何結び):知性
☆洋装:ベルトと違い、1本の帯で太い人も痩せも、どの結び方でも可能
 (S〜Lサイズで4m30cm程が適 LLサイズの人は別途長尺で)
 余り部分を内側に折り返すことで“実質使用長”を調整して結ぶ
 和のフレキシビリティ:道具はシンプル、人に応用を求める
☆精度高く、丁寧に、文化的に、前で結ぶ 後ろに回す
 (腰紐をしての後ろ結びは、補助輪をつけての手放し運転が如し
  腰紐なしでも、後ろ手=手放し運転とは別に、精度高く文化的に結ぶのが一義
  帯結びは貝の口だけにあらず、一文字を後ろで結ぶ意味、その精度如何)
☆始点、終点、交点の3ポイント意識が重要
 始点、終点で使用長をコントロール
 交点で手と垂れの長さバランスをコントロール
 (交点をへそ真ん中など仮決めすることで、始点、終点決まってくる)

・腰紐無用:マネキン、トルソ相手、リアリティのないきものの象徴
 トイレの後にパンツ、ステテコも上げられないような着方はナンセンス
・角帯の上下:倍幅で織られ縦半分に折られている帯の場合、
 輪(わ)=折り山(張力をしっかりと支えられる方)が下
・時計回りに巻く:きもの自体が時計回り、それを崩さないよう
 順方向に巻く 着装合理の重要性
 (関東巻き/関西巻き は、特定分野での話
  関東人がみな逆巻きで、自分で自分に呪詛を掛けるが如くの
  締め方をするわけではない
  しょう油は紫色ではなく 意味合い区別が重要
  文化の捉え違い、ハウツー・うんちく流されの愚)
・帯位置は、膝、腿を上げ、足の付け根の折り曲げ位置が絶対下限
 ここより下でも、歩いているうち、座った際等に上がってくる
 細い人は下限近く(袴紐が下限に入る形となるのでその上に)、
 腰骨形状、腹の出具合で納まり、心地のよいポジションを探る
・手は、帯の左端を縦半分に折り、輪(わ)=折り山を上に取る
 帯は下部で締める、張力が下部に伝わる手の取り方
・角帯本来の目的=胴回り本線のホールド、心地が重要
・巻き目はズラさない:キッチリ重ねて
・帯の左右を交差させ引っ張り絞るように結ばない
 平らさを活かし、滑らせ張力調整
・滑るのがいい帯:滑る、なおかつ折れる(折り留まる)
 良い結び=良い織分かる
・手と垂れを交差する際は手を下に折り返す(折り山が下になるように)
・一結び後は手の方を先に上に折り返し上げる(折り山は下のまま)
 この際の下部のV角:折り線で留めゆるみを防ぐ
 合う角、合わない角の区別 算数:図形レベルの角度感覚の重要性
・手の角度がポイント:一意に決まる、ピンポイント、
 手の折り下げ&折り上げ角度、ズレると結び目がゆがむ
 ピタゴラスイッチが入るポイント、角度が重要
・垂れで手を折りくるむように結ぶ
・垂れを下げ&折り上げ、そこに手を下から入れ上げるのは
 順序、後先、ナンセンス
・手と垂れの長さ、バランスが気に入らない時は、
 交点をズラして手の方の長さを好みに調整し、
 垂れの出し入れ(内側への折り返し量の調整)で垂れの長さを好みに調整する
・数ミリ単位で微調整が可能
・結び目に隙間、ゆるみを生じさせない
 スペースを詰めるように、引っ張らず、タイトに調整
・結び目を叩いて固定、馴染ませる
・帯を後ろに回す際は、締め位置=腰から上に上げて、
 ゆるいところで回す
・回した後に、きものを整えシワを両脇に流す
・帯を下に下ろす際は、片足ずつ後ろに引き、腰骨を抜く感じで
 胴回りのスペースを空けて(細くして)下げる
・帯位置が決まったら、再度、結び目、帯周りを叩いて馴染ませる
・きものの衿を合わせ、帯上下のシワを整える=両端に流す
・手と垂れの長さバランスは、手の方が長め、垂れは控えめ
・後ろ、結び目の決め位置は、手と垂れを両手で持ち持ちやすいところ
 すなわち結び目の確認・修正をしやすいところ(=後ろ手で結びやすいところ)
 結び目(特に下のV角)を確認&叩き馴染ませやすい位置
 時計巻きの場合、後ろ右側に結び目が来る
 (反時計巻きの場合は、後ろ左側に結び目)
・そもそも、非対称な結びで、中心のある結び方ではない
 「真ん中ではなく左右にズラすのが粋」というのは、
 あたかも中心があるがごとくの説明で、ミスリード
 合理+美意識(手・垂れバランス)で帯の位置は自ずと決まってくる

※貝の口を理解し、折り紙的幾何結びを体得すると
 「片ばさみ」(ぐちゃばさみ:横着者の締め方)は
 気持ち悪くて締められなくなるもの
 実際、「片ばさみ」はしない、という結び巧者多く

※半幅帯は、帯単体で結びホールド可能な帯
 お太鼓帯は、補助紐:帯締めでホールド 論理が異なる
 半幅帯も3巻きで結ぶのがよく 4m70cmなど
 (全通の八寸帯を、端から端まで縦半分に折り半幅帯とする等
  今後の帯メーカーの長尺対応に期待)
 半幅帯単独での結びで、いかに文化的な装飾が出来るか
 それを理解できるか、素養・教養・文化観が問われる
 帯締め、帯留め、帯揚げ等無用
 折り返し裏見せ、巻き目ズラし等無用



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